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生協の未収金回収に強い弁護士法人ニューステージが未収金回収率を高めます

出資金の取扱い

生協様と他の法人との最大の相違点は、「出資金」があることです。

消費生活協同組合法第16条1項には、「組合員は、出資一口以上を有しなければならない。」と規定されています。

したがって、未納者である組合員も、必ず一口以上の出資金を有しているのです。

未納者に対して、「請求額を支払って欲しい。」との督促を行った場合、
「出資金がかなりあるはずだ。」「それで相殺してもらいたい。」
と言われることもよくあります。
(当事務所において受託債権の請求をする場合もそうですが、生協様のご担当者において請求する場合も、この問題はよく生じると思います。)

しかしながら、そのような、未納金と出資金との相殺はできません

出資金の払戻しについては、消費生活協同組合法第21条によって定められています。
「脱退した組合員は、定款の定めるところにより、その払込済出資額の全部又は一部の払戻しを請求することができる。」

また、消費生活協同組合法第16条4項においては、
「組合員は、出資金額の払込みについて相殺をもって組合に対抗することができない。」と定められています。

このような規定から、組合員から、「出資金があるから、未納額と相殺してもらいたい。」との主張はできないと考えられます。

もっとも、出資金については、組合員から、「出資口数の減少請求」を行うことができます(消費生活協同組合法第25条)。
このような請求があった場合、組合員は、減少した出資口数に対応する出資金部分に限り、相殺の主張ができると考えられます。
この出資口数の減少請求については、各生協様の「定款」の定めに従うことになりますので、定款の記載も考慮した処理が必要となります。

次に、既に脱退した組合員側は、出資金の払戻し請求権があると考えられます。
ただし、未納金が存在するにも関わらず、組合員側から、出資金の払戻しのみを求めることはできません

消費生活協同組合法第24条は、
「脱退した組合員が組合に対する債務を完済するまでは、組合は、第21条の規定による払戻しを停止することができる。」
と定めているからです。

もっとも、脱退した組合員は、出資金については払戻し請求権を有していますので、生協の側から既に脱退した組合員に対して請求する場合は、未納金から出資金額を除いた金額とすることもできると考えられます。

このように、生協様の未納金の請求にあたっては、状況に応じて出資金の取扱いについて考慮すべき点があります。
未納金と出資金の取扱いについてのご疑問については、是非当事務所にお問い合わせください。