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対談4 他の弁護士事務所ではできない回収アプローチ

「なぜこのシステムを作ったんですか」と聞かれたら

田中 今日の対談のお題は、「他の弁護士事務所ではできない回収アプローチ」です。うちと他の弁護士事務所との大きな違いは、自社で開発した少額債権回収システムがあることです。今日は、システムを作ってくださった「アドバンス ブレイン」代表の白根さんにもお越しいただいています。

白根 よろしくお願いします。

田中 白根さんと最初にお会いしたのは、平成24年の春でした。もう丸4年になるんですね。

下元 少額債権回収の業務を始めることになったきっかけは、ある顧問先の会社さんで数百件規模の少額債権が発生したことでした。

白根 それまでも、もちろん債権回収業務はやってらしたんでしたよね。

田中 顧問先さんがご商売されてらっしゃって、その業務で発生する債権というのは、当然、僕らが顧問弁護士として請求していました。それが類型化されて、毎月、その債権を請求するという業務もずっとやっていたんです。回収業務は、司法書士さんも一定の金額まではできますし、サービサーが代行できる場合もあります。でも、本来は弁護士の仕事なんです。ご相談くださった会社さんは、サービサーに依頼すると規制の問題にひっかかり、頼める弁護士事務所もなくて困ってらした。当時うちには月に何百件という回収業務を行う体制はありませんでしたが、ご相談いただいたからには、弁護士として、自分たちが何とかしようと考えたのがスタートでしたね。

田中 白根さんとお会いする前には、その依頼者さんがコールセンターを作って、手紙も依頼者さんのほうで作るという話もあったんです。ただ、そうなると僕らの目が行き届かない部分が絶対出てしまうので、それは無理やとお断りしたんです。

下元 かといって、うちの事務所で何百件もの電話を掛けたり、大量の郵便物を送ったりするのも難しい。どうすればいいか? 既存のソフトなども探したけれど、良いものがなかった。考えた末、白根さんへのご相談に至ったわけです。大量の債権を扱っていく中で、ミスをしないためにはシステムが必要だったんです。複数の人間が対応していく中で話に齟齬が生じたり、請求書の送り先、金額などを間違えたりなどのミスが起こらないようにと。

白根 お二人がイメージされている仕組みをお聞きしたとき、おもしろそうやなと思いました。ただ、取り扱いたい件数を伺って、月に何万件とおっしゃったので、びっくりしましたけど…。

田中 月に何万件。そんなに大きく言ったんですね。

下元 そうそう。それを扱えるぐらいのシステムにしてほしいと、お話しました。

白根 実は、最初にお会いしたとき、お二人のことちょっと怖かったんです。

下元 怖かったですか?

白根 下元先生は、お話ししていると鋭いところも突っ込まれますし、田中先生は無言で見つめられると…。

田中 ……。笑

白根 でも、お話しするうちにだんだん、真面目に考えておられるんだというのが強く伝わってきて、安心感が強くなっていったんです。

下元 よかったです。

田中 白根さんの会社では、いろいろな企業のシステムを開発されているんですよね。

白根 はい。顧客管理をはじめ、工場の管理ソフトとかそういうものですね。生産、物流、在庫など。

下元 法律事務所からの依頼というのは?

白根 1回もないです。

下元 珍しいですよね。僕らも、債権回収のためのシステム作りましたなんて弁護士事務所の話、聞いたことないですからね。

田中 弁護士にはそもそも、設備投資をして新しい業務を行うという発想自体が湧きにくいと思うんです。ある意味、殻を破らなくても生活もできている中で、枠から外れた新しいことをしようという発想がなかなか出てこない。

下元 そうですね。でも、僕らはやると決めたので。具体的なシステムの話にしても、初めてのことばかりで、どんな形で要望を伝えたらいいのか、そもそもここをこうしてくれ、ああしてくれみたいな話が現実的なのかどうか、わからないことばかりでしたけど、やりたい内容は決まっていたので。

白根 でも、お話はわかりやすかったです。それに、基本的に、できないことはないんです。難しいのは、運用上、人がどこまで介在できるのかという、その調整だったりします。

下元 「システムでできないことはない」というのが白根さんの持論なんですよね。

白根 はい。

下元 最初に、交渉経過については必ずわかるようにとお願いしましたよね。

白根 そうでしたね。

下元 交渉を行うのは弁護士だけで、事務員は交渉しないんですけれども、どうしても債務者の方の要望を電話で伝言として聞くことがあるので、僕らの関与なく勝手に進まないようにしてほしいと。

白根 そうですね、はい。

下元 白根さんは弁護士業務とか債権回収業務については初めて知ることが多く、逆に僕らはシステムでわからない部分が多かったので、白根さんにはたくさんご苦労を掛けたと思います。

白根 1年近くディスカッションしましたね。

下元 その後の試行錯誤にも付き合っていただいて、いま、白根さんのおかげでうちの債権回収の仕事はできています。

白根 いえいえ。

下元 本当に。このシステムがなかったら、弁護士が少額債権回収の業務をするのは無理やと思うんです。

田中 ですよね。なんでこのシステムを作ったんですか?と聞かれたら、僕いつも言ってるんです。「やってみたらわかります。ないとできないということが」って。

 

コンビニ収納から“自慢の封緘機”まで すべては回収率をあげるため

田中 白根さんにはいま、毎日事務所に来ていただいてるんですけど、最初は毎日ではなかったですよね。

白根 大きな仕事が入って、案件が急増したタイミングですね。

下元 ああ、そうだ。1日2,000枚ぐらいの手紙を送るという。

白根 仕事が増えて、やった!と思いましたけどね。ただ、あのときは手紙を全部、手で追って封筒に詰めていたんですよね。田中先生、下元先生も一緒に折っていただきましたが…。

下元 あれは大変でしたね…。

田中 みんなで折るといっても、1,000件超えるとね、こら、もうあかんと。

白根 これじゃあ回らないなというので、封入封緘械を買っていただきました。

田中 封緘機は不可欠ですね。紙入れて封筒をセットしたら、折って、中に入れて、糊付けしたやつが出てくる。自慢の封緘機です。

下元 町工場の魅力といいますか、機械が手伝ってくれてるという感じがいいですよね。ただね、白根社長自ら、ガチャン、ガチャンと作業してくださっているでしょう。それを見ると申し訳ないなと思うんです。

白根 いえいえ。

下元 あとは毎回、新しい依頼者さんの案件を受任すると、それに合わせて毎回インターフェイスを変えていただいて、いつもご苦労を掛けています。

白根 いえいえ。必要なことですから。

田中 僕ら、何度もバージョンアップをお願いしてますけど、コンビニ収納を導入したときは印刷が大変でしたよね。

白根 そうですね。あの印刷は大変でした。コンビニ側が読み取れるバーコードを作るために、何度も調整して。

下元 そのために専用のプリンター購入しましたもんね。

田中 でも、やっぱり回収率をあげたいというのがあるので、コンビニ収納はどうしても導入したかったんです。

下元 そうなんです。債権回収という仕事は、毎月この債務者の方にこれだけの未集金がありますというリストをいただいて、手紙を送って電話をかけて、回収できたらその分、依頼者にお渡しできて、うちの報酬も入るという単純な仕事なんですけれども、その中でどうすれば1%、2%債権回収率が上がるのかというのをつねに考えていて。

田中 回収率があがるのは、依頼者さんにも、債務者の方にも、みんなにとっていいことですからね。

下元 ということで、いろいろ新しいことをやっていかないといけないんですけど、白根さんには毎回、それに対応していただいて。今、実はこれがしんどいみたいなことってありますか?

白根 しんどいことはないですよ。今はひとつ、分割払いのデータに対する仕組みが足りないので、そこを何とかしたいなというのは考えています。あとは、どこまでシステム化していいのか?を考える必要があるのは、弁護士事務所ならではの難しさですね。

田中 なるほど。

白根 通常の仕事では、自動化になればなるほど喜ばれるんですけど。

田中 そうですよね。弁護士法の関係で、行きすぎたら駄目という部分がありますからね。

白根 弁護士法から外れない中で、オートメーション化されていて、肝心なところでは必ず人が介在する。そういう形でさらに効率的にできればと思うんです。

田中 そうですね。

下元 システムはどんどんバージョンアップされてきましたが、うちの事務所のほうの、使いこなす側の問題はありませんか?

白根 だいぶ慣れてもらってますよ。

下元 パッパとやってます?

白根 はい。やられてます。

田中 もう4年、ずっとやってますからね、みんな。

下元 おかげさまで、白根さんのシステムができてから、たとえば人を取り違えたりとか、そういうミスは一切ないですからね、今まで。

田中 過去1回もないん違います?

白根 ないですね。

下元 あれだけ大量の手紙を送っていてミスがない。さらにね、電話をかけてこられるのがご本人じゃなくご家族の場合もあるんですけど、その情報も大概すぐヒットしますから。そこは本当にありがたい、すごいシステムやなと思います。

白根 まだまだ改良の余地も残ってます。たとえば、住所で検索したいケースもたまにはあるんです。そういう機能も追加していきたいですね。

下元 住所で検索したいというのは、誰から入金されたか分からないときですか?

白根 そうです。請求書の宛名とは違うお名前で振り込まれると、照合が難しいんです。

下元 通常、ご家族だったら名字で探しますよね。あとは金額ですよね。

白根 ですね。

下元 1,095円だったら、1,095円の人を探すんですよね。入金された。

白根 そうです。それでも合わないとなった場合、果たしてこれは誰なのかという。銀行にも問い合わせますが、結局わからず迷宮入りしてしまうという場合もあります。

田中 人力で照合作業しないといけなくなるんですね。

下元 僕もこの債権回収の仕事を始めるまでは、まさかそんな状況があるとは思わなかったです。実際にお金を振り込んでいただいてるにもかかわらず、それが誰かわからないという。

白根 はい。そういう問題も、ひとつひとつ、システムで解消していきたいと思っています。

田中 ありがとうございます。

下元 今後、この業務を増やしていく予定ですけど、どうでしょう? 月数万件。大丈夫ですか?

白根 大丈夫です。まだまだ余力あります。バージョンアップもしていきますよ!

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